慢性炎症とCRPの関係。肥満も原因の1つ
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先日たまたNHKの番組「ガッテン!」を見ていると慢性炎症について特集されていました。

その内容によれば慢性炎症の対策を行うことで健康寿命が伸びるというのです。

非常に興味深い内容でしたので、内容をご紹介したいと思います。

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慢性炎症とは

炎症を引き起こす状況の中には擦過傷などの外傷、打撲、病原体侵入、化学物質刺激、新陳代謝異常による組織細胞の異常変化、極端な温度環境などがある。生体に、これらの異常が生じると発赤、熱感、腫脹、疼痛を特徴とする徴候が生じる。(Wikipedia

なんとなく分かりますが、もう少し簡単に説明すると、怪我をした時、打撲した時など赤くなったり、腫れて熱を持ち痛みが生じます。この状態の事を炎症というのです。

この炎症は、皮膚の傷や打撲以外にも、体の内側の内臓などでも炎症が起きます。

例えば、風邪を引いた時、熱が出ますが、この状態も炎症といいます。

炎症を起こしている部分では、血管が拡張し血流量が増加したり、白血球が炎症組織へ侵入したりします。これらの働きによって、炎症で死んだ細胞・菌などは除去され、再び細胞が再生し、修復されます。

慢性炎症の定義

例えば傷や打撲で数日間〜1週間以内で治る場合、これらは急性炎症と言います。しかし、骨折や打撲でも回復までに当然ながら1週間以上かかる場合は多々あります。その為、厳密に慢性炎症を定義する場合、組織異常が解消されているのに、炎症物質・細胞などが収束しない場合などを指します。

また、一般的には慢性炎症は気づかない内に体内で炎症が起こり中々収まらない症状の事を言うようです。

急性炎症の場合は、多くの場合自覚症状があり、すぐに収まりますが、慢性炎症の多くは自覚症状が無く長期間続くという怖さがあります。

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慢性炎症が原因の病

慢性炎症が原因となって生じる病は様々にあります。

・アルツハイマー病

・癌

・ぜんそく

・メタボリックシンドローム

・アレルギー性疾患

・関節リウマチ

・脳卒中

・動脈硬化

・肝臓病

・心臓病

・排尿障害(情報参照:CREST

などなど、その他にも挙げればキリがないほど慢性炎症が影響しているのではないかと考えられている病気が多岐に渡ります。

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慢性炎症の原因は生活習慣にある!

そんな慢性炎症は何が原因で起こるのでしょうか?

実は、その原因は生活習慣と加齢にあります。

先日のガッテンでも紹介されていましたが、

肥満

過度の飲酒

ストレス

運動不足

喫煙

高血糖

加齢

これらが慢性炎症の原因となり、慢性炎症が強くなればなるほど、生活習慣病の発症や進行に大きく影響してきます。

自覚症状が無い炎症を見つけるにはCRPに注目

そもそも慢性炎症には多くの場合、自覚症状がありませんが、どのように慢性炎症を見つければ良いのでしょうか。

それを見つける重要な指標があります。

それがCRPです。

これは、病院などで健康診断や血液検査等を行うともらえる検査結果に記載されています。

CRPの基準値は基準値は0.3mg/dl以下

CRPの基準値は基準値は0.3mg/dl以下です。0.3mg以下であれば低ければ低いほど良いという事になります。

逆に0.3mgより高ければであれば体内で炎症が起きていることを疑う必要があります。例えば、10mg/dlを超えると入院が必要なレベルとされています。

<CRPの目安>

軽い炎症 0.31~0.99mg
生活改善の必要 1~2mg
精密検査の必要 2〜

正確には「C-反応性たんぱく」というもので、体の中で組織の破壊・炎症が起きると血液中に増える一種のタンパク質です。癌や感染症を見つけるための炎症マーカーの指標などで使われています。

風邪や歯周病菌でもCRPの数値は上がる

CRPが高ければ炎症が起きている可能性はありますが、これは慢性炎症だけの数値ではなく、炎症の度合いを示すものですので、例えば、風邪や歯周病菌等でも上昇します。

その他には、リウマチ熱・耳下腺炎・マイコプラズマ肺炎・結核・甲状腺炎・脳梗塞・心筋梗塞(※これらはほんの一例です)

CRPが上昇する理由は

  • 感染
  • 炎症
  • 組織に障害がある時

などです。

あくまでも炎症が起きているかどうかを調べる数値であり、病名までは判別できません。

運動をすれば慢性炎症は下がる?

そんなCRPの数値ですが、先日のNHKガッテンでは3名の方に3週間運動をしてもらって、運動をする前と3週間後のCRPの数値を見比べました。

結果がこちら

1名のみ3週間後の検査時に風邪をひいてしまった為にCRPが上昇してしまったようですが、それでも2週間後の時点で3名ともかなりCRPが下がっています。

元々が、皆さん30mg以下で正常値ではありましたが、更に低下しています。

これは、運動をすることで体脂肪を減らしそれがCRPの低下に繋がったようです。

肥満が慢性炎症を引き起こす?

この結果でも分かるように肥満は慢性炎症を引き起こす原因の1つになります。脂肪細胞が脂肪を溜め込むと、脂肪を余計な物だと免疫細胞が判断し、脂肪を排除しようとして炎症を引き起こすのだそうです。

また、皮下脂肪よりも内臓脂肪の方が炎症は強くなります。

生活習慣を見直して定期的に血液検査を

生活習慣を見直すことが非常に重要であるということがお分かりいただけたかと思います。そうは言っても生活習慣の改善は重要だと分かっていても中々実行できてない方は多いはず。

だからこそ、重要なのが検査です。

血液検査で実際の自分の体の状態を知り、数値が良ければ万々歳ですが、悪いもしくは改善の必要が有ると実感すれば自然と生活習慣の改善に取り組むようになるのでなないでしょうか。

血液検査の頻度

人間ドッグ等の精密検査は年に1回程度の方が多いようですが、血液検査は健康保険を使えば数千円で検査が可能です。

年に2〜3回ほど受けてみると何か異常がある場合は当然早期発見に繋がりますし、自分が生活習慣の改善に努めているのであれば血液検査で数値として結果が現れますので、モチベーションの向上になるはずです。

慢性炎症を止めれば健康寿命が向上

慢性炎症は先述したとおり、様々な生活習慣病の進行を早める原因となります。近年では、セルフメディケーション等の制度も出来て健康寿命・予防医療等の意識が高くなってきていますが、それは、本人からしてもやはり、いつまでも健康で居たいという願望は有るはずです。

慢性炎症を止めることは、腎臓や心臓の機能を高めることに繋がり、癌のリスクも軽減されると言われています。

ぜひ慢性炎症を低下させ健康寿命を伸ばすことを目指してみましょう。

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